前職である新潟の車載品メーカーで基板の回路設計を担当していましたが、東京で1年ほど勤務していた際に結婚が決まり、生活拠点を関東に移すことを考えました。転職も選択肢に入れて考える中で、自身の仕事に対する思いを見つめ直し、より多くの人の暮らしに寄り添うような製品の開発に携わりたいという思いが強くなりました。

エージェントからの紹介でワコムのことを知りましたが、ペンで文字を書いたり絵を描いたりして人と気持ちを伝え合うことは、今後も変わることのない普遍的な価値があると感じています。そうした価値を提供できるペンタブレット市場には、今後も安定した需要が見込めると確信し、ワコムへの応募を決めました。

現在、電子スタイラスペンの電気的な設計・評価・量産フローを担当しています。扱っているのは、お客様である電気メーカーにOEMで供給するタブレット用のペンです。

この仕事の魅力は、製品の設計段階から量産、そしてお客様への納品まで、プロジェクト全体に関われる点です。開発の過程では何度も試作や検証を重ね、そのたびに技術的な課題に直面します。思い通りに動作しないことも多く、社内外の関係者と連携しながら一つひとつ課題を乗り越えていきます。すべての工程をクリアし、無事に量産・納品までたどり着いたときには、苦労が多かった分だけ達成感を味わうことができます。

現在、1歳の子どもを育てており、ワコムのフレックス制度にとても助けられています。コアタイムがなく、勤務時間や働く場所を自分の生活に合わせて調整できるため、実際に家庭と仕事を両立できています。

社員として業務を担っている以上、関わるメンバーとコミュニケーションを取り、タスクを完遂することが最優先です。それでも、柔軟な働き方ができることで、例えば、出社した日でも、子供を寝かしつける時間までには帰宅できるようにスケジュールを工夫するなど、妻が職場復帰してからのことも考えて、夫婦で協力しながら育児分担する見通しも立てることができました。私も妻も実家は遠方にあるため、育児については日常的な両親からのサポートを受けることができない中で、夫婦で育児をしながらも安心して働き続けられるということが、私にとってはワコムの大きな魅力であると感じています。